夜勤は身体の調子を崩しやすい勤務体系です。
「夜勤で働くと寿命が縮む」という話を同僚や先輩から聞いて、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、夜勤は本当に寿命を縮めるのかどうかや、夜勤で生じる健康リスクなどについて解説します。
また、夜勤のある働き方が肌に合わないと感じている方も多いのではないでしょうか。
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目次
夜勤で長期間働くほど健康面に置いてリスクが高まる
夜勤で長期間働くほど、寿命が縮む可能性は高くなります。
アメリカの国立がん研究所とハーバード大学がおこなった研究によると、夜勤で働いている方は、下記のように死亡リスクが高まるという結果が出ています。
心臓や血管の病気 | 勤務経験:6~14年 | 19% |
---|---|---|
勤務経験:15年以上 | 23% | |
肺がん | - | 25% |
あらゆる理由 | - | 11% |
出典:National library of Medicine
研究グループは、睡眠や生活リズムの乱れがさまざまな健康被害を招くことが原因であると結論づけており、夜勤を続けると健康被害のリスクが高まるといえるでしょう。
夜勤での勤務で生じる5つの健康リスク
夜勤で生じる健康リスクは以下の5つです。
- 生活のリズムが乱れる
- 睡眠の質が低下する
- 太りやすくなる
- がんのリスクが高まる
- 生活習慣病のリスクが高まる
生活のリズムが乱れる
夜勤勤務によって生活リズムが乱れることで、さまざまな睡眠障害を招きやすくなります。
人間には「サーカディアンリズム」と呼ばれる25時間周期で生理機能を調節する機能があり、光や食事、外出習慣などによって24時間サイクルになるようリズムを整えています。
サーカディアンリズムの乱れによって発症するのが「概日リズム睡眠障害」です。
概日リズム睡眠障害になると以下のような障害が発生します。
睡眠・覚醒相後退障害 |
|
睡眠・覚醒相前進障害 |
|
不規則睡眠・覚醒リズム障害 |
|
参考:睡眠・覚醒障害研究部
また、サーカディアンリズムの乱れは、睡眠障害だけでなく精神疾患や高血圧なども引き起こすといわれています。
夜勤で寿命を縮めないためには、夜勤であってもできるだけ生活リズムを変えないことが重要です。
睡眠の質が低下する
夜勤が続くことで、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」が正常に分泌されなくなり、浅い眠りや慢性疲労につながります。
メラトニンとは
覚醒と睡眠を切り替え休息に適した状態へと身体を導く作用を持つホルモン
他にも新陳代謝の促進や疲労回復の効果を持つといわれています。
メラトニンは日光などによって分泌が少なくなり、起床から14~16時間後に徐々に分泌するとされています。
引用:体内時計.jp
夜勤で働いている方は、メラトニンの分泌が少ない昼間に睡眠をとるケースがほとんどです。
結果として睡眠の質が下がり、同じ時間睡眠をとっていたとしても夜ほどには疲労が回復せず、疲労感や眠気を感じるのです。
太りやすくなる
夜勤によって睡眠時間が短くなると、食欲に関するホルモンのバランスが乱れて太りやすくなります。
睡眠時間が短くなると、食欲抑制ホルモンの分泌が低下し、食欲増進ホルモンの分泌が増加するためです。
また、夜間は食事からとったエネルギーが消費されにくく、脂肪になりやすい点も太りやすい原因といえるでしょう。
がんのリスクが高まる
夜勤によって生じるサーカディアンリズムの乱れや睡眠不足が、がんの発生原因になるともいわれています。
世界保健機構(WHO)の関連機関である国際がん研究機関(IARC)は、発がん性のあるものを以下4つのレベルに分類しています。
グループ1 | ヒトに対して発がん性がある。 |
グループ2A | ヒトに対しておそらく発がん性がある。 |
グループ2B | ヒトに対して発がん性がある可能性がある。 |
グループ3 | ヒトに対する発がん性について分類できない。 |
農林水産省|国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類についてより独自に作成
上記において「サーカディアンリズムを乱す夜勤」は、グループ2A(おそらく発がん性があるもの)として位置づけられており、除草剤にも使われている「グリホサート」と同じレベルです。
出典:厚生労働省|IARC グループ2Aに分類されている作用因子 (87因子)の分類(案)
生活習慣病のリスクが高まる
夜勤を続けると、下記のような生活習慣病のリスクが高まります。
- 糖尿病
- 高血圧症
- 脳卒中
近年では、国も夜勤による生活習慣病リスクを重く捉え、調査をおこなったり、改善に向けて取り組みをしている組織に補助金を出したりする活動をおこなっています。
出典:厚生労働省|令和元年度高齢者医療運営円滑化等補助金における「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業」の実施に係る公募について
夜勤業務によって生じるその他の影響
夜勤業務によって、身体的な健康リスク以外にも生じる影響は以下の2つです。
- 家族や友人など周囲の人と時間が合わせにくくなる
- うつ病のリスクが高まる
家族や友人など周囲の人と時間が合わせにくくなる
夜勤業務の方は、日中に働く方とは反対の生活リズムになります。
そのため、家族や友人と過ごす時間が確保しにくくなります。
周囲とのコミュニケーションがなくても気にならない方であれば問題ありません。
しかし、家族や子ども、友人とのつながりを大切にしている方にとっては孤独を感じやすい環境といえるでしょう。
特に、家族など同じ場所に住んでいるのに、夜勤によってコミュニケーションがとれない環境は、人によっては大きなストレスを感じる可能性があります。
うつ病のリスクが高まる
夜勤での勤務は、ストレスを感じる要因が日中の勤務より多いため、うつ病のリスクが高まるといわれています。
夜勤での勤務では下記のようなストレスが発生します。
- 睡眠不足
- 責任のある業務
- 孤独によるストレス
特に、睡眠不足によるストレスへの影響は大きいといえるでしょう。
国立精神・神経医療センターの研究によると、睡眠不足時はネガティブな感情に対してのみ反応しやすくなるとの結果がでています。
短期間の睡眠不足
- 気持ちが不安定になる
- 抑うつのリスクが増大する
長期間にわたる睡眠不足
- うつ病の発症
- 不安障害の発症
上記のような健康障害につながる可能性があると考えられています。
夜勤で健康面に心配がありつらい方は、早めに転職も検討しましょう。
スキルや転職に不安を感じている方は、キャリア相談をしてじっくり対策を取ってから進めるのがおすすめです。
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夜勤で働きながら健康的に生活する6つのポイント
夜勤で働きながら健康的に生活するポイントは以下の6つです。
- 生活リズムをできるだけ一定に保つ
- 睡眠の質を上げる
- 食事内容に気をつける
- 夜勤中に仮眠をとる
- 適度に運動をする
- シフトの変更を希望する
生活リズムをできるだけ一定に保つ
健康的に過ごすためには、サーカディアンリズムを乱さないよう過ごすことが重要です。
夜勤明けの過ごし方を工夫すると、生活リズムをできる限り一定に保てます。
夜勤明けにおすすめの過ごし方
- 夜勤明けであっても午前中は眠らず、夜に早めに寝る
- できるだけ日光を浴びる
- 日勤時と同じように外出する
家を出ずに一日中ゴロゴロする行為は生活リズムを乱し、かえって疲労が増すため、注意が必要です。
睡眠の質を上げる
睡眠の質を上げると、疲労回復効果の向上やストレスの安定などの効果を得られます。
夜勤の方が睡眠の質を上げる方法は以下がおすすめです。
睡眠の質を上げる方法の一例
- 光(朝日・スマートフォンの画面など)に当たらない
- 覚醒作用のあるもの(コーヒー・酒・タバコなど)を摂取しない
- お風呂で身体をあたためる
- 遮光カーテンなどを利用して部屋を暗くする
- 身体にフィットした寝具を用意する
- リラックス効果のあるアロマをたく など
ご自身にあった方法から取り入れ、睡眠の質向上に取り組んでみるとよいでしょう。
食事内容に気をつける
食事内容に気をつけることで肥満防止や睡眠時の疲労回復効果の向上が見込めます。
食事の際に注意するポイント
- 1日3回は食事をとるようにする
- 夜勤中は水やお茶などカロリーの少ない飲み物を飲む
- 血糖値の上昇を抑えるため、野菜を食べてからパン・ごはんを食べる
- 日勤時と同じ食事リズムを意識する
また、睡眠前の食事は睡眠中の身体に消化する負担を与えることになります。
睡眠前は揚げ物などは避け、お茶など飲み物だけにするか、うどんなど消化によいものを食べるとよいでしょう。
夜勤中に仮眠をとる
20~50分ほど仮眠は眠気や疲労改善に効果があるため、夜勤中に仮眠をとることで仕事効率の向上や集中力不足によるケガを防止できます。
ただし、60分以上仮眠をとると起床後にぼんやり感が生じやすくなるため、仮眠をとる時間には注意が必要です。
また、仮眠をとりたいけど寝付けない、といった悩みをお持ちの方は可能な範囲で次の方法を試してみてください。
仮眠をとる際のポイント
- 3~6時ごろに仮眠をとる
- 食事は仮眠の3時間前までにとっておく
- 仮眠前はなるべくスマホを見ない
- 普段寝る前にしている行動を取り入れる
身体が最も眠る体制となっている3~6時ごろの仮眠は、入眠がしやすいだけでなく疲れもとれやすいため、おすすめです。
適度に運動をする
眠る前に軽く運動をおこない、適度な疲労感を得ることでスムーズな入眠が可能になります。
夜勤上がりの場合、日光などの影響で目がさえてしまい、疲れているのに寝付けないケースも少なくありません。
軽く運動し適度な疲労を得るとスムーズに眠れるようになります。
おすすめはウォーキングによる運動です。運動になれていない方でも継続しやすくダイエット効果も得られます。
入眠のために運動をする際は、どれくらいの運動をおこなうかが重要です。
普段から運動をしていない方が、激しい運動をすると身体を壊すことにもなるため、やりすぎには注意しましょう。
シフトの変更を希望する
夜勤が身体的・精神的につらいと感じる場合は、所属する組織に相談し、負担の少ないシフトや日勤へ変えるのも一つの方法です。
相談する際のポイント
- シフトを変更したい理由もしっかりと伝える
- 組織側が受け入れやすい案も用意しておく(週2回なら入れる、など)
- 組織に産業医がいる場合は先に相談する
組織側にも事情があるため、必ずしも希望が通るとは限りません。
しかし、相談するのを我慢して自分の身体を壊してしまっては意味がありませんので、無理せず一度相談してみてください。
慢性的に体調不良が続く場合は、医療機関の利用を検討してください。
夜勤での勤務に不安を感じる場合は働き方の見直しも必要
夜勤で働き続けることに不安を感じたり、シフト変更を相談しても変更できなかったりした場合は、働き方を見直し転職するのも方法です。
夜勤で働くメリットの一つに「夜勤手当による高い収入」があるため、収入の低下を心配して転職に踏み切れない方もいるでしょう。
しかし、高いスキルを身につけ転職や副業をすれば夜勤手当以上の収入を得ることも可能です。
自分が、どのようなライフスタイルを手に入れたいかを考えて、今後の働き方を考えてみるとよいでしょう。
夜勤が辛いと感じている方は、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ:健康を優先して自分にあった働き方を探そう
夜勤で長期間働くと、睡眠不足や肥満による生活習慣病などを招き、寿命が短くなる可能性があります。
夜勤によるリスクを抑え健康的に生活するためには、できるだけ日勤時と同じリズムでの生活する、睡眠の質を上げる、などが効果的です。
ただし、夜勤で働く以上、健康的な生活にも限度があります。現在の働き方に不安を感じる場合は転職など環境そのものを変えるのもおすすめです。
そうは言っても......
- 何もスキルがない
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