退職金もなしで給料も低いと、この先の生活が不安になってしまう方も多いでしょう。
- 思い切って転職した方がいいのか
- 今更転職はしない方がいいのか
- 退職金なしの会社って普通なのか
と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、退職金がなく給料も低い企業はやばいのかや、対処法などについて解説します。
自分の置かれている状況を正しく知って、具体的な行動がとれるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
また、そもそもこの会社で働き続けて大丈夫か、そこが心配な方もいるのではないでしょうか。
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目次
退職金もなくて給料も低い会社はやばい企業の可能性がある
「退職金がない」もしくは「給料が低い」のどちらか一方の理由だけであれば、やばい会社とは言い難いでしょう。
しかし、両方そろっている場合、退職後の備えがしにくいという意味で、やばい会社の可能性が高くなります。
以下は、各年代における毎月の平均給与です。
年齢 | 全職種 |
20~24歳 | 240,800円 |
25~29歳 | 281,700円 |
30~34歳 | 314,100円 |
35~39歳 | 346,700円 |
40~44歳 | 366,100円 |
45~49歳 | 379,500円 |
50~54歳 | 393,200円 |
55~59歳 | 395,600円 |
60~64歳 | 313,000円 |
65~69歳 | 271,000円 |
地域や職種によっても金額は異なりますが、大きく下回るようであれば給料が低いといえます。
そのため、現在の仕事に強いこだわりがない場合は、転職も視野に入れるとよいでしょう。
退職金について知っておくべき5つの情報
退職金について知っておくべき5つの情報を解説します。
- 退職金は福利厚生の一部
- 退職金の金額も年々減っている
- 退職金がもらえないケースもある
- 外資系企業は退職金制度がないケースが多い
退職金は福利厚生の一部
退職金制度は、企業が実施する福利厚生の一環であり義務ではありません。
そのため、退職金制度がなくてもやばいわけではありません。
ただし、就業規則に退職金があることが記載されているにもかかわらず、支給が無かったり、記載されている金額と違ったりする場合は、やばい企業といえるでしょう。
退職金を出していない企業は全体の約28%
りそな銀行の調査によると、中小企業全体の約28%が退職金を出していないとの結果がでています。
以下は、中堅・中小企業における退職金を出さない企業の推移です。
退職金制度なしの企業割合(中堅・中小企業) | |
2004年 | 15.3% |
2006年 | 15.7% |
2008年 | 14.9% |
2010年 | 17.9% |
2012年 | 21.1% |
2014年 | 20.0% |
2016年 | 29.5% |
2018年 | 24.2% |
2020年 | 20.9% |
2022年 | 28.3% |
参考:りそな銀行を基に作成
退職金を出さない企業は年々増えている傾向にあります。
運用には大きな負担がかかる、終身雇用制度を見直す企業が増えている、などの点から今後も増える可能性が高いといえるでしょう。
退職金の金額も年々減っている
りそな銀行が調べた「就労条件総合調査」によると、支給される金額も年々減少する傾向にあり、大卒の場合は1997年のピーク時と比べると1,000万円近く減少しています。
引用:りそな銀行
退職金が減少している背景には、退職金の維持・増額が人材の確保につながらなくなっている点などが挙げられます。
退職金がもらえないケースもある
退職金を支給する条件は、企業ごとに自由に定めることが可能なため、場合によっては退職金がもらえないこともあります。
多くの企業が支給条件として定めているのが在籍期間です。
3年以上を支給条件としている企業が多く、長い所では5年の在籍を条件としている企業もあります。
また、企業側の都合によって減額・廃止となる可能性もあるため、当初の想定よりもらえる金額が少なくなることもあります。
外資系企業は退職金制度がないケースが多い
外資系企業は、そもそも長期雇用を前提としていないことから、退職金制度を採用していない企業が少なくありません。
一方で、退職金制度の代わりとなる、以下のような制度が用意されています。
制度名 | 概要 |
特別退職金(パッケージ) | 企業側からの退職勧奨に応じた際に、給料の3~6ヶ月程度の金額が支給される制度 |
インセンティブ | 目標達成など成果を上げた社員に対して、支給される報奨金 |
RSU(譲渡制限付株式ユニット) | 一定の条件を達成した場合に、自社株をもらう権利が付与される制度 |
他にも、給料や福利厚生など、退職金以外の部分で従業員に還元しているケースが外資系企業には多く見られます。
そのため、退職金がない企業はやばいとは一概にはいえません。
退職金がないメリット
退職金がない企業は悪い点ばかりではなく、以下のようなメリットもあります。
- 退職金が給料に上乗せされている場合がある
- 転職がしやすい
- 退職金制度の廃止・減額の影響を受けない
退職金が給料に上乗せされている場合がある
企業によっては、退職金に相当する金額を毎月の給料やボーナスに上乗せして払っているケースがあります。
退職金制度のあるほとんどの企業では、一定以上の期間在籍していなければ退職金をもらえません。
しかし、毎月の給料に上乗せされている場合は、入社後すぐに退職金相当額を受け取れます。
転職がしやすい
退職金がない企業で働いている場合、退職金のことを気にせずに転職が可能です。
一方、退職金がもらえる企業で働いている場合、以下のような理由から転職へと踏み切れなくなるケースがあります。
- 退職金をあてにしてローンを組んでいる
- これまで積み上げた退職金がもったいなく感じる
- 退職金をもらえる前提の老後設計をしている
退職金のことを一切気にせずに転職できる点は、退職金がない企業の大きなメリットといえるでしょう。
退職金制度の廃止・減額の影響を受けない
退職金は、企業の都合によって廃止や減額となるケースは少なくありません。
そのため、退職金をあてにして老後の計画を立てている場合、企業の都合で人生を振り回される可能性があります。
一方で、自身の給料から貯蓄や投資をおこなっている場合、企業の都合に振り回されることなく老後資金の形成が可能です。
「退職金なし・給料低い」以外で辞めたほうよい企業4選
「退職金なくて給料も低い企業」でなくても、以下のような企業は転職を検討したほうがよいでしょう。
- 給料が上がる見込みがない企業
- 給料は変わらないのに仕事量や責任が増えていく企業
- 長時間労働・休日出勤を求められる企業
- 離職率の高い企業
給料が上がる見込みがない企業
退職金もなく、自身が確かな成果を上げているにもかかわらず、給料が一向に上がらない企業であれば転職も検討したほうがよいでしょう。
成果を適切に評価しない企業は、あまり従業員を大切に扱っている企業とはいえません。
そのため、今後も給料が上がる可能性は低いといえます。
また、給料が上がらない状況が続くと、モチベーションの低下を招きます。
働く意欲が低下し、将来に悪影響を及ぼすことにもつながりますので、現状を変えたい人は早めに転職を検討しましょう。
関連記事:給料が上がらずモチベーションが下がったときの対処法4選
給料は変わらないのに仕事量や責任が増えていく企業
退職金ももらえず、仕事量だけが増えて給料が上がらない企業もおすすめできません。
給料はほとんど変わらないのに仕事量や責任が増えていく企業には、以下のような特徴があります。
- 企業の業績が伸び悩んでいる
- 能力が正当に評価されていない
- 企業が年功序列制度を採用している
上記のような理由の場合、原因は自分以外にあることから状況を変えるのは困難です。
企業の体質を変えるよりも、自身に適した仕事を探す点にリソースを割いたほうがよいでしょう。
長時間労働・休日出勤を求められる企業
長時間労働や休日出勤を求められる企業もやめた方がいい企業の一つです。
長時間労働や休日出勤が長期間続くと、プライベートの時間が減るだけでなく以下のような健康リスクが生じます。
- 脳や心臓の疾患
- うつ病など精神的な障害
- 腰痛や腸炎などの過労性の健康障害
- 集中力低下による事故やケガ
自身の健康を守るためにも、今の企業で長時間労働や休日労働が減らないようであれば、転職を検討してみてください。
離職率の高い企業
離職率の高い企業は、社内の人間関係や勤務形態など、なにかしらの問題を抱えている可能性が高いため、転職を検討したほうがよいでしょう。
厚生労働省の調査「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、パートタイムを除いた労働者の平均離職率は11.9%となっています。
離職率が高い企業は、人員不足による業務量の増加や新人の教育などの負担が常にかかっているため、労働環境の改善も簡単には進みません。
離職率が平均より大幅に高い場合は、転職を検討するのがおすすめです。
退職金なし・給料が低い企業の対処法
退職金がなく給料も低い企業に勤めている場合の対処法は以下の3つです。
- iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)で定期預金をする
- 副業や投資で資産形成をする
- 退職金制度のある・給料の高い企業へキャリアチェンジする
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)で定期預金をする
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、老後資金を自分で積み立てる制度のことです。
毎月専用の口座にお金を積み立てていき、積み立てたお金を資産運用することで老後に受け取れるお金を増やしていきます。
iDeCoの利用には以下のメリットがあります。
iDeCo利用のメリット | 概要 |
税金が安くなる | iDeCoで支払った毎月の掛金は全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を減らせる。 |
運用益に利益がかからない | 通常、投資によって利益を得た場合、約20%の利益が税金となりますが、iDeCoを通した運用益には税金がかからない。 |
お金を受け取る際に控除が受けられる | 一度に受け取る場合は「退職所得控除」、分割で受け取る場合は「公的年金等控除」が受けられる。 |
低コストでプロに運用してもらえる | iDeCoを通した場合、通常よりもかなりやすい手数料でプロに資産運用してもらえる。 |
また、積立の金額も月5,000円から始められるため、無理なく始められる点も大きなメリットといえるでしょう。
一方で、原則として「60歳までは引き出せない」「運用によって減額する可能性がある」などの注意点もあります。
副業や投資で資産形成をする
副業や投資など、本業以外で資産形成をするのも効果的です。
投資の場合であれば、NISAという制度を利用することで、非課税で投資を始められます。
また、副業であれば以下がおすすめです。
オススメの副業
- 現在の仕事やスキルを活かしたもの
- Webライター
- Webデザイン
特に、WebライターやWebデザインは、ネット上のやり取りで完了するケースも少なくなく、ある程度自分のペースで進められるためおすすめです。
退職金制度のある・給料の高い企業へキャリアチェンジする
退職金がない・給料が低いなど、現状に不満を抱えているのであれば、転職で環境そのものを変えることも有効です。
仕事を探す際は、退職金や給料面など金銭面だけで選ぶのはあまりおすすめできません。
以下の内容もしっかりと確認したうえで、選ぶとよいでしょう。
- 業務内容
- 勤務形態
- 勤務時間
- 福利厚生
また、WebサイトやSNSなどで企業の口コミなどを確認すれば、職場の雰囲気をある程度把握することも可能です。
どのような仕事が自分に向いているのか、具体的に把握したい方は無料のキャリア診断がおすすめです。
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まとめ:環境を見直して納得のいく働き方を選ぼう
退職金がなく給料も低い企業は、老後資金が貯めにくいだけでなく、今の生活も充実しないため、おすすめできません。
退職金もメリットばかりではありません。
退職金だけを優先するのではなく、就労条件ややりがいなど、本当に自身が納得できる条件での転職を検討してみてください。
「転職なんてすぐにはできない」「今の仕事が好きだから転職したくない」と考えている場合は、iDeCoの利用や投資・副業の実施などの対処法もありますので、自身が納得のできる方法を選ぶとよいでしょう。