夜勤が辛いとお悩みの方も多いでしょう。
夜勤は睡眠のリズムが崩れやすく、生活習慣を整えることが難しい働き方の1つです
夜勤の辛さを軽減するためには生活習慣や睡眠環境の改善を意識することが重要です。
仮眠を確保したり、適度に体を確保することで体調を崩しにくくなります。
「どうしても辛い」という方は職場環境を変えるために転職を考えることも選択肢の一つです。
この記事では、夜勤が辛いと感じる方の対処法について解説しています。
夜勤から職場環境を変える際の注意点も紹介しているのでぜひ参考にしてください。
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目次
夜勤が辛い!看護職員等の夜勤勤務の実態
24時間営業の仕事では、自分が望まなくても夜勤勤務が発生するため、辛いと感じる人もいるでしょう。
ここでは、医療と介護業界の夜勤状況について紹介します。
医療施設・介護施設における職員の夜勤時間が全体的に増えていることがわかりました。
医療施設の2交替病棟の割合は20年前から毎年増加傾向にあり、2交替病棟の約50%で16時間以上の労働が行われています。
また、介護施設では2交代夜勤を実施している施設が全体の約90%、2交替施設の約80%で16時間以上の労働が行われています。
参考:医労連|2023年度夜勤実態調査結果
参考:医労連|2023年介護施設夜勤実態調査結果概要
このように特に医療福祉領域では夜勤が常態化しており、辛い夜勤を我慢するのは得策ではないといえるでしょう。
夜勤が発生する仕事の場合、交代で日勤と夜勤を行う場合が多く、辛い場合は辞めることも早めに検討しましょう。
夜勤が辛いと言われる4つの主な理由
夜勤が辛いと感じる場合は、以下の理由が考えられます。
- 睡眠不足や睡眠の質が低くなり、体力的にしんどいから
- 生活リズムが乱れて疲れが溜まりやすいから
- 従業員が少なく、業務量が多くなりがちだから
- 友人やパートナーとの予定が調整しにくいから
自分に当てはまる部分がないか確認してみましょう。
睡眠不足や睡眠の質が低くなり、体力的にしんどいから
睡眠が十分に取れず、睡眠の質も悪くなり夜勤が辛いと感じるようになるでしょう。
夜に働いて昼間に寝る生活の場合、明るい時間に睡眠を取るため、睡眠の質が悪くなる傾向があります。
睡眠は、ストレス軽減や感情をコントロールできたり、高血圧や糖尿病のリスクを低減したりして健康を維持するために重要な役割を担っています。
参考:J-Net 21
睡眠のタイミングを逃すと、体力的にしんどいと感じやすくなります。
生活リズムが乱れて疲れが溜まりやすいから
夜勤で働くことで生活リズムも崩れて疲れやしんどさの原因になるでしょう。
夜勤明けでは寝る時間が昼間になりやすく、普段の生活リズムとのずれが生じてしまうからです。
夜勤明けの昼の12時から入眠した場合、起床時間は夜の7時ごろになり生活リズムが乱れる要因となります。
従業員が少なく、業務量が多くなりがちだから
夜勤では、従業員数を減らして稼働するケースも多く、普段の業務量と比べてやることが増えるでしょう。
分からないことを質問できる人がおらず、自分で解決しなければならないという気疲れやストレスも抱えてしまうでしょう。
介護職の場合は、巡回がメインの業務となるため、夕食の準備や就寝準備に必要な最低限の人材しか出勤していない職場が多くなります。
普段と比べて従業員の数が少なく、業務量が増え、精神的なプレッシャーを感じやすくなるでしょう。
友人やパートナーとの予定が調整しにくいから
夜勤は、友人やパートナーとの予定調整ができず、誘いを断る機会も増えるでしょう。
多くの人が日勤中心の生活を送っており、夜勤の生活リズムでは予定を合わせにくくなります。
夜勤の日を避けて予定を立てた場合でも、疲労が溜まっていると十分に楽しめないケースもあるでしょう。
昼夜逆転した生活を続けていると、周囲の生活リズムと合わせるのは難しくなってきます。
辛い夜勤の負担を減らす方法4選
辛いと言われる夜勤の負担を減らす方法は下記のとおりです。
- 環境を工夫して睡眠の質を高める
- しっかり仮眠をとる
- 昼間に日光を浴びるようにする
- 適度に体を動かし、ストレスを減らす
できることから取り入れて、健康と安全を維持できるようにしていきましょう。
環境を工夫して睡眠の質を高める
睡眠のリズムが崩れやすい方は、環境を工夫して睡眠の質を高めることが大切です。
夜勤前後の睡眠は陽が出ている時間帯であることが多く、十分な休息ができないケースもあるでしょう。
寝るときに日光に当たらないよう遮光カーテンを取り付けたり、アイマスクを着用したりすることが重要です。
シフトを工夫し、夜間に寝られるような生活リズムを目指しましょう。
しっかり仮眠をとる
仮眠時間を確保することが重要です。
夜勤中の仮眠はいつもの夜間睡眠と同じ時間帯に眠るため、効率的な疲労回復が可能になります。
日本看護協会によると、特に深夜の3〜6時に仮眠をとることで生活リズムを崩しにくくなり、疲労感の軽減に役立つと言われています。
生活リズムを崩さないようしっかり仮眠をとるようにしましょう。
昼間に日光を浴びるようにする
連日の夜勤で疲れている方は、可能な限り、昼間に日光を浴びるように意識してみてください。
日光を浴びると、体内時計(サーカディアンリズム)を維持して生活リズムが崩れにくくなります。
概日リズムは、光や食事、運動、睡眠覚醒スケジュールに影響されやすいです。
その中でも、光は最も強い影響を及ぼします。
太陽光(自然の光)を浴び、サーカディアンリズムを整えるために対策しましょう。
参考:日本生理人類学会誌
適度に体を動かし、ストレスを減らす
「ストレスが溜まってきたな」と感じた場合も、そうでない場合も、定期的に体を動かしてストレスを発散しましょう。
運動には、ストレスを発散したり、睡眠リズムを整えたりする作用があります。
軽いランニングやサイクリングの習慣を作ると、有酸素運動によりこころと体がリラックスできるでしょう。
ストレスをためない運動習慣を作り、継続して体を動かすことが大切です。
出典:厚生労働省|こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
夜勤が向いている人の特徴
夜勤が辛いと感じているなら、そもそも夜勤に向いていない可能性があります。
夜勤に向いている人は、下記のとおりです。
- もともと夜型の人
- 収入を上げたい人
- 人間関係のトラブルを減らしたい人
自分の適性を理解していないと、ストレスが溜まりやすく、体調も崩しやすくなります。
自分に当てはまるかを確認してみましょう。
もともと夜型の人
夜遅くまで起きていることに抵抗がない場合は、夜勤に向いている人の特徴といえます。
特に、夜明けまで起きている日が多い人は、問題なく業務を遂行できる可能性が高いです。
朝型の人は午前中のパフォーマンスが高く、夜型の人は夕方以降に集中力が高まります。
夜型の人は、朝に弱い傾向にあり、日勤でエンジンがかかりきらないことも。
自分の行動パターンを分析し、集中しやすい時間を確認してみましょう。
収入を上げたい人
少し無理をしてでも給料を上げたい場合は、夜勤に向いているでしょう。
辛いと感じても、「給料面に満足しているからやめない」人もいます。
例えば、独立行政法人の国立病院機構近畿グループでは、基本給に加え、二交替夜勤1回につき約11,000円の夜勤手当がもらえます。
参考:独立行政法人国立病院機構|近畿グループ
「給料を増やすためであれば夜勤も苦じゃない」と考える方は、辛いと言われる夜勤も乗り越えられるでしょう。
人間関係のトラブルを減らしたい人
コミュニケーションが苦手な人や人間関係で悩みたくない人は、夜勤に向いている人が多いです。
夜勤は1人で行う業務が多く、少ない従業員数でシフトが構成されています。
不必要な会話をする機会は少ないため、トラブルに巻き込まれたくない方には夜勤がおすすめです。
厚生労働省のこころの耳では、「退職理由や人事異動希望の理由としても、人間関係の難しさ、行き詰まりをあげる人が多い」と発表しています。
適性が合わずに早期の退職にならないためにも、不安要素を減らした職場選びも大切です。
出典:厚生労働省|こころの耳
夜勤が向いていない人の特徴
以下のような特徴を持つ人は、夜勤によるストレスをためやすいでしょう。
- しっかり睡眠を確保したい人
- 夜勤明けで体調を崩しやすい人
過度なストレスを受けると、早期退職に繋がる可能性が高くなるため、夜勤を選択する際は注意が必要
しっかり睡眠を確保したい人
夜にしっかりと睡眠を取り、朝に起きるといった生活習慣を崩したくない人は、夜勤はおすすめできません。
夜型の生活を送っていない人は、急な環境の変化に対応しにくく、「夜勤辛い…」と感じやすくなります。
睡眠リズムは健康に影響しやすく、睡眠時間のリズムが崩れると、体やこころに不調が起きる可能性が高くなります。
睡眠リズムを分析し、「自分は朝型の人間だ」といった方は、夜勤以外の選択肢も考えてみるとよいでしょう。
夜勤明けで体調を崩しやすい人
夜勤明けに体調を崩しやすい人は、長期的に夜勤を続けることは推奨できません。
夜に行動する生活が体に合わず、SOSが出ている状態ともいえます。
夜勤は、多くの人の睡眠時間に働いているため、体調が崩れやすくなります。
夜勤を続けると、体の不調は誰にでも起こりえるでしょう。
無理せずに体調と相談して新しい環境を探し、働きやすい仕事を見つけることも大切です。
夜勤がどうしても辛いときの対処法4選
「どうしても夜勤が辛い」といった人もいるでしょう。
無理して働き続けるのではなく、職場環境を変えることも選択肢の1つです。
- 健康リスクを高めてまで働くべきなのか検討する
- 働き方を見直す
- 転職に不安を覚えているならキャリアカウンセリングを受ける
- スキルを身に付けて選択肢を広げる
上記の対処法を実践し、自分に合う仕事について検討してみてください。
健康リスクを高めてまで働くべきなのか検討する
健康を害してまで働くべきなのか、再度考え直してみるとよいでしょう。
夜勤を続けると健康面でのリスクも高まります。
- 睡眠リズムが崩れやすく体が怠くなる
- 糖尿病や高血圧のリスク
- 睡眠障害などのリスク
関連記事:夜勤で寿命が縮むって本当なの?
「夜勤が辛い」と本当に悩んでいる方は、転職も前向きに検討しましょう。
健康を害してしまうと、完治するのに何年も時間がかかってしまう場合もあるのです。
辛いと感じている今、健康リスクを高めてまで夜勤を続けるべきなのか考えましょう。
働き方を見直す
自分の働き方を見直してみると、相性の良い職場を見つけられる場合も多いです。
現代の日本では、多くの職種から自分に合う仕事が選べます。
夜勤手当はなくなりますが、適切な方法で仕事を探すと、同等かそれ以上の給与がもらえる職業を見つけられるでしょう。
自分が大切にしたい価値観やライフワークバランスを意識し、勤務体系を見直してみましょう。
転職に不安を覚えているならキャリアカウンセリングを受ける
転職を視野に入れたときに不安感を覚える方は、キャリアカウンセリングで相談してみましょう。
「自分に合っている仕事が分からない」「せっかく専門職についたのに転職するのはどうなの?」といった悩みが出ることは当然と言えます。
転職活動に不安を抱えている方は、まずはキャリアのプロに相談しましょう。
転職活動に特化したキャリアアドバイザーが、メンタルとスキルの面から成長を促します。
スキルを身に付けて選択肢を広げる
今の職場で長く勤めることに不安を持っている場合は、新しいスキルを身に付けることで選択肢が広がるでしょう。
特に、専門知識を活かして働いていると、新しいチャレンジをしたり勉強したりせずに過ごしている方も多いです。
確かに、独学でのスキル習得は、遠回りになり、挫折に繋がりやすくなります。
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夜勤に関するよくある質問
夜勤が辛いと感じている方からのよくある質問は、以下の通りです。
- 夜勤はすべてがおかしくなると言われる理由は?
- 夜勤はうつ病になりやすい?
夜勤はすべてがおかしくなると言われる理由は?
「夜勤はすべておかしくなる」と言われる理由は、生活リズムが乱れて体調が崩れることが挙げられます。
他にも、友人やパートナーとの予定を合わせにくく、ストレス発散が上手にできなくなるケースもあります。
夜勤は一般的な生活スタイルと反して仕事をするため、睡眠リズムが崩れ、ストレスによる体の不調や生活習慣病が起こる可能性が高くなります。
関連記事:夜勤は早死にするって本当なの?すべてがおかしくなるのはなぜ?
夜勤はうつ病になりやすい?
夜勤は、うつ病になる確率が高いと言われています。
国立精神・神経センターが発表した「気分障害における睡眠異常とその治療」では、以下のように記載されています。
「交代制勤務が5年未満の勤務者におけるうつ病の有病率が5%以下であるのに対し、勤務を5年以上続けた勤務者では30%近くまで上昇している」
引用:光療法の総合サイト
睡眠不足は気分障害に影響を及ぼすため、自分で睡眠を確保する対策を行い、難しい場合は環境を変えることも重要です。
夜勤で心と体に不調が出る前に対策しよう
夜勤が辛いと言われる主な理由は、睡眠不足による生活リズムの乱れが起こり、こころと体に不調をきたしやすいことが挙げられます。
辛い夜勤の負担を減らすためには、睡眠環境を改善し、運動や日光浴を習慣づけることが大切です。
どうしても辛い場合は、転職活動も検討するとよいでしょう。
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