新卒2年目で給料が上がらない、または少額しか昇給しないケースもあります。
収入アップが見込めなければ、将来に不安を抱く方もいるのではないでしょうか。
新卒2年目で給料を上げるためには個人の目標を明確にしたうえで行動し、市場価値を高めるのが大切です。
本記事では、2年目なのに給料が上がらないと悩む方に向けて、5つの原因と対処法を解説します。
この記事で分かること
- 新卒・社会人2年目で給料が上がらない原因
- 新卒・社会人2年目の平均昇給額
- 2年目で転職を視野に入れたほうが良い理由
- 2年目の若手でも給料を上げる方法
本記事を読むことで、若手のうちから給料アップを目指す方法がわかります。
昇給できるポイントを知り、20代で活躍できる人材を目指しましょう。
また社会人2年目になると職場にも慣れてきますが、このまま今の場所で働き続けてもよいものかと迷いが生まれる方も多いのではないでしょうか。
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目次
社会人2年目は給料上がらない?少額しか昇給しない5つの原因
2年目の社員が昇給しない主な理由は下記の通りです。
- 新卒入社後は一律の昇給額が設定されているため
- 成果がまだ出せておらず、会社に貢献できていないため
- 仕事で求められているスキルがまだ身についていないため
- 2年目から住民税の負担が発生するため
- 会社の業績が悪かったため
給料が上がらない原因を知って、どうすれば給料アップできるのか考えていきましょう。
新卒入社後は一律の昇給額が設定されているため
多くの企業では、新卒入社後の初年度や2年目の給料が一律となっている場合があります。
厚生労働省の調査によると、1人あたりの平均昇給額は4,000~6,000円ほどで、平均昇給率は2%ほどでした。
本データは、全年代1人あたりの平均賃金の改定額をまとめております。
企業規模 | 1人あたりの平均賃金の改定額 | 1人あたりの平均賃金額の改定率 |
5,000人以上 | 6,478円 | 2.0% |
1,000~4,999人 | 5,393円 | 1.8% |
300~999人 | 5,658円 | 2.0% |
100~299人 | 4,738円 | 1.9% |
定期昇給とは、労働協約や就業規則などで定められた制度に基づいて実施される昇給です。
企業ごとに査定方法は異なりますが、一定の条件のもと査定します。
- 年齢
- 勤続年数
- 能力
- 業績評価
新卒2年目の昇給額が少ない理由には、会社の制度が起因している可能性が高いのです。
成果がまだ出せておらず、会社に貢献できていないため
新卒2年目では、昇給に見合った成果を出せていない場合があります。
成果を昇給の決定要素とする実力主義の会社において、貢献度の低い社員は給料が上がりにくい傾向です。
厚生労働省の調査によると、実力主義の会社は個人の業績や成果をもっとも重視しています。
企業規模別 | 【短期】個人の業績・成果 | 【長期】個人の業績・成果 | 【短期】課や班、プロジェクトチーム別の業績・成果 | 【長期】課や班、プロジェクトチーム別の業績・成果 | 【短期】事業部門、会社の業績・成果 | 【長期】事業部門、会社の業績・成果 | その他 |
1,000人以上 | 32.4% | 18.7% | 9.1% | 9.5% | 12.3% | 9.0% | 5.1% |
300~999人 | 30.0% | 23.6% | 9.9% | 6.8% | 10.7% | 10.7% | 3.2% |
100~299人 | 26.5% | 20.6% | 8.6% | 7.5% | 9.7% | 17.8% | 6.4% |
30~99人 | 15.3% | 26.2% | 5.2% | 10.3% | 11.3% | 22.1% | 6.2% |
若手のうちから給料を上げるためには、成果を出して会社の期待に応えるのが重要です。
仕事で求められているスキルがまだ身についていないため
会社が求めるスキルを身につけていなければ、給料アップは望めません。
独り立ちを目指す時期に差し掛かる2年目では、会社に貢献できる社会的スキルが必要です。
社会的スキル | 具体的なスキル |
自分自身で考え抜く力 | ・課題発見力・計画力・創造力 |
チームで働く力 | ・発信力・傾聴力・柔軟性・状況把握力・規律性・ストレスコントロール力 |
自分で前に踏み出す力 | ・主体性・働きかけ力・実行力 |
社会的スキルは社内のほか、ネットワーキングを利用して多様な人とつながることでも身につきます。
企業内外で体験と実践を繰り返し、キャリアを広げると2年目でも給料アップを目指せるでしょう。
経済産業省 | 「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」(人材力研究会)報告書 をもとに作成
新卒2年目から住民税の負担が発生するため
給料が上がらない理由には、住民税の影響も考えられます。
新卒2年目の6月から所得税や保険料の他、住民税も課税対象となるからです。
住民税は所得税と均等割の2種類があります。
所得割(標準税率) | 均等割(年額) | |
特徴 | 前年所得に対して10%の金額が引かれる税金 | 所得の金額関係なく均等に引かれる税金 |
市町村民税 | 6% | 3,500円 |
道府県民税 | 4% | 1,500円 |
合計 | 10% | 5,000円 |
一般的に住民税は前年の1月1日から12月31日までの所得で算定される仕組みです。
新卒1年目は前年度はまだ学生であり、住民税が課税される年収まで到達していないことから対象から外れています。
年間の住民税の税額が8万円だった場合、月に7,000円ほどの支払いが発生します。
新卒2年目で5,000円昇給したとしても、住民税が引かれるために2,000円はマイナスになり給料アップしたとは感じられないでしょう。
会社の業績が悪かったため
売り上げが低迷している会社の場合、個人の成績やスキルが長けていても、会社の利益がなければ従業員の給料は上がりません。
業績が悪化する理由は会社によって異なります。
- 自然災害
- 景気の変動
- 社会情勢の影響
- 需要の減少
- 資金繰りの悪化
- 組織力の低下
企業側は会社を立て直すのに精一杯のため3年、5年と働き続けても収入アップを見込めない可能性も考えられます。
業績不振の理由を踏まえ、2年目のうちから将来を見据える行動も必要な選択です。
新卒2年目だけど辞めたいと考えている方は、下記記事もぜひ参考にしてください。
関連記事:2年目で給料が上がらない辞めるのはあり?考える5つのポイント
新卒2年目の平均昇給額はどれくらい?
新卒2年目の平均昇給額は、業界によって異なりますが、1人あたりの昇給金額がもっとも高い業界は建設業で8,101円です。
業界 | 1人あたりの平均昇給額 |
鉱業・採石業・砂利採取業 | 5,959円 |
建設業 | 8,101円 |
製造業 | 5,747円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 3,670円 |
情報通信業 | 7,919円 |
運輸業・郵便業 | 4,136円 |
卸売業・小売業 | 5,148円 |
金融業・保険業 | 5,341円 |
不動産業・物品賃貸業 | 6,380円 |
学術研究・専門・技術サービス業 | 7,588円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 3,865円 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 4,044円 |
教育・学習支援業 | 5,543円 |
医療・福祉 | 6,403円 |
サービス業(他に分類されないもの) | 4,286円 |
本データは、全年代1人あたりの平均賃金の改定額をまとめております。
宿泊業・飲食サービスや電気・ガス・熱供給・水道業は、業界の中でも定期昇給制度を実施している割合が少ないため昇給額は低い傾向です。
各業界の賃金改定を知り、ご自身の昇給金額が妥当なのか判断材料としてお役立てください。
社会人2年目の20代の昇給額がどのくらいかを具体的に知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
関連記事:20代の昇給額の平均は?学歴や企業規模などから詳しく解説!
2年目の20代でも給料を上げたい人が今から始めるべき3つのステップ
社会人2年目の20代が、現実的に給料を上げるための3つのステップは下記の通りです。
- 社会人3〜5年目の先輩へ相談する
- 目標を明確にして計画的に取り組む
- 自分の強みを活かして市場価値を高める
会社に期待するのではなく、自ら行動を起こし給料アップへの一歩を踏み出しましょう。
社会人3〜5年目の先輩へ相談
先輩や上司とのコミュニケーションを深めることで、キャリアの方向性や給料アップのヒントを得られます。
相談する際は、20代後半となる社会人3年〜5年目の先輩がおすすめです。
年が近いため、新卒2年目で給料が上がらない悩みを同様に悩んでいた可能性があります。
収入に関する悩みを乗り越えた方法や現在の心境を聞いてみるといいでしょう。
会社で成長したいことを前提に、収入アップするための手段を上手く聞き出しましょう。
先輩の姿は数年後のあなた自身になる可能性が高く、今の会社でキャリアアップを目指していくべきなのか、しっかり検討しましょう。
成果を出すために目標を明確にして、計画的に取り組む
2年目から給料を上げるためには、具体的な成果を出し上司にアピールできるように個人目標を明確にして、計画的に取り組むのが重要です。
「自分が今何をするべきか」といった目標を具体的に設定できるよう、SMARTの法則を活用しましょう。
SMARTの法則とは5つの基準に沿って目標を立て、ゴール達成への精度を高める手法です。
SMARTの法則 | 意味 |
---|---|
Specific | 具体的な目標か |
Measurable | 達成度を数値で測定可能か |
Assignable | 達成可能か |
Realistic | 目標達成が自分の利益につながるか |
Time-related | 期限が明確か |
SMARTの法則を踏まえたうえで、2年目の営業マンを例に目標を設定します。
目標を具体化することで行動に移しやすくなるため、SMARTの法則を実践してみてください。
若さを活かしてポータブルスキルを磨く
20代は、どの業界や企業でも通用する汎用性の高いポータブルスキルを身に付けていきましょう。
ポータブルスキルとは
職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上に求められるスキルです。
ポータブルスキルの一例
- コミュニケーション能力
- 思考力
- 業務遂行力
- 情報収集力
- 課題設定力
- 計画力
- 対応力
年功序列が崩壊している現代では、20代前半から転職する人も増加傾向にあります。
2年目は、社会人として求められる基礎力をさらに強化し、どの職場に転職したとしても通じるポータブルスキルはしっかり磨いていきましょう。
新卒2年目だからこそ「転職」も視野に入れたい3つの理由
新卒2年目の若手社員が転職を検討するべき3つの理由を解説します。
- 新卒2年目の20代はポテンシャル採用されやすいから
- 第二新卒としての転職需要が高まっているから
- 異業種にも挑戦できるから
企業が求める人材を理解し、キャリアアップへ向けた参考にしてください。
新卒2年目の20代はポテンシャル採用されやすいから
新卒2年目を含む20代の若い世代はスキルや経歴より滞在能力を重視する採用、いわゆるポテンシャル採用されやすい傾向です。
ポテンシャル採用とは
企業側が求職者の滞在能力を選考基準とする採用方法です。
株式会社学情の調査では、20代を採用するうえで「業界・職種の経験を問わない」と回答した企業が7割以上いたことがわかっています。
ポテンシャル採用には下記のメリットがあります。
- 未経験からでも採用されやすい
- 転職でもイメージが悪くなりにくい
- 育成プログラムを受けられるケースが多い
未経験からでも幅広い業種や職種に挑戦しやすいため、キャリアアップの選択肢が広がるでしょう。
転職を検討する場合、ポテンシャル採用の企業にも注目してみてください。
厚生労働省 | 「企業等の採用手法に関する調査研究」報告書を参考にして記載
第二新卒としての転職需要も高まっているから
転職市場において、第二新卒の需要は高い傾向です。
第二新卒とは専門学校や大学を卒業した人が企業へ入社し、おおむね3年以内の退職または転職を検討している人を指します。
企業が第二新卒者を採用する理由は5つです。
- 即戦力となる人材を確保したいため
- 入社意欲が高いため
- 人手不足のため
- 組織を活性化させたいため
- 熱意やポテンシャルが高いため
第二新卒は新卒の選考基準に近いながらも、全くの新卒ではなく社会人としてのビジネスマナーや厳しさを理解している人が多く、即戦力として求めている企業も多くあります。
第二新卒としての転職需要を検討し、給料が高い業種へ転職するのもおすすめです。
異業種にも挑戦できる年代だから
新卒2年目の20代は、未経験の業界へもチャレンジしやすい年代です。
30代以降になると、経験やマネジメントスキルが求められるようになり未経験の転職ハードルが高まりますが、20代前半のうちはポテンシャルやあなたの可能性を重視しています。
また年齢を重ねるとともに、ライフステージの変化に伴い、異業種の挑戦が難しくなってしまう人も多いのです。
新卒2年目とまだ若い今だからこそ、先のキャリアをしっかり考えて異業種の挑戦も前向きに検討してみましょう。
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20代未経験から転職で年収アップした事例
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転職事例
IT事務→ITエンジニア(未経験)給料:月給15万円→月給20万(年収80万円アップ)
関連記事:【年収+80万円】IT事務職からITエンジニアへ転職した三上さんの事例とインタビュー
三上さんは給料が上がらない状況や成長できない環境に、将来に対する不安を感じた理由からキャリアコーチングと転職支援をしているキャリフリを受講しました。
コミュニケーション能力が身についたほか、将来の方向性が見えたことがきっかけで転職成功につながったと三上さんは話してくれました。
面接の模範解答を一緒に受け答えをしっかり考えてしてくれた点も、キャリフリの魅力とのことです。
三上さんのように、自分の置かれた状況を客観視して将来への不安を抱く方は珍しくありません。
「とりあえず新卒で就職した会社で、昇給も望めないまま2年目を過ごしてる。」
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- 企業によっては新卒入社後、昇給額が一律の場合もある
- 会社の業績が原因で、給料が上がらない場合もある
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- 給料を上げるために、自分の強みを活かして市場価値を高める
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